子育てのピンチ・・・その四
会話が出来ないほど小さな子どもを正したり、“しつける”のはどうしたら良いのでしょう。「ダメ!」と言葉で言ったって伝わらないし、暴力や理不尽は問題外。科学的根拠は必要だし、子どもの気持ちを傷つけない配慮も大切です。そのような知識を探るなかで知ったのは、幼児期の子どもの内部で起きていることを解説したモンテッソーリ教育のことでした。
幼児期の子どもには、一生に一回きりの特別に敏感な感受性を発揮する「敏感期」という時期がおとずれます。この「敏感期」になると、子どもは環境から必要なものを吸収し、自分を創っていきます。その子どもの特別な感受性は、大人になるとなくなるので、大人にはしばしば理解できない奇妙な行動として目に映ります。相良敦子(1994)『お母さんの「敏感期」』ネスコ/文芸春秋
大人は理解できない子どもの繰り返しやこだわりを「敏感期」と命名し、今は何に対する「敏感期」なのか推測しながら大人が環境を整え、子どもは気が済むまで活動すること。それで自然とその子らしく、善く育っていくのだという考え方があったのでした。「敏感期」は“大人になると消えてなくなる”という言葉に助けられ、深い安堵と共に私はモンテッソーリ教育の方法を頼りに子育てを始めました。