40年以上続く教育効果
幼児期の教育で得られるのは、“数値化できない能力”です。良い点を取ったり、何か賞をもらうような、目に見えるものではなく、何かを学ぶ意欲(学校の勉強に限らず)や、感情をコントロールする力など、目には見えないけれど本当に大切な力。それは人生のうちで幼児期に一番伸びて定着し、その子に長く良い影響を与え続けるそうです。
アメリカの経済学者が教育効果の研究をしました。経済学者ですから、国が教育へ投資する場合、人生のどの時期の教育が最も費用が少なくて済むか、という研究です。職業訓練、成人の読み書き、囚人の社会復帰など様々なプログラムを試した後、最も効果的と結論づけたのが、未就学児を対象にした教育でした。
ペリー就学前プロジェクトでは、恵まれない家庭の幼児に、学校と自宅で30週間の教育を行ない、その子が40歳になるまで追跡調査を行いました。その結果、幼児期にこの教育を受けた子どもは、同様の環境で教育を受けられなかった子どもに比べ、学業や働きぶりや社会的な行動などに良い結果をもたらし、その効果は40歳になった後も継続していました。
ペリー就学前プロジェクトで、“数値化できない能力”の育成にどんな教育を行ったのかは、次回のブログでお伝えしますね。