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愛着発達の第4段階は「いつも心にママがいる」。

新年度が始まりました。幼稚園や保育園で、あたらしい毎日がはじまったお子さまも多いと思います。ご両親は、ピカピカの靴と園服を用意して「毎日元気に通ってね」と、祈る思いでいらっしゃるでしょう。

そんな中、幼児教室の一教師の私も、お母さま方からご相談頂くことがあります。一番多いのは「朝の園で別れるのが難しい」というお悩みです。園まで楽しく向かうのに、玄関先で泣いて離れられないというのです。

新しい環境は子どもにとって“未知の場所”です。その場所で過ごす方法の、一つ一つを学ばなければいけません。「どこで靴を脱いで、どこに荷物を置いて、どこにおもちゃがあって、私は○○組さんのお部屋で・・・」新しい場所はお家と違うルールがいっぱいで…、とても大変。ほっと一息つく場所もわかりません。

しかし私は幼稚園で勤務した経験から、お母さまと涙で別れたあとのお子さまは、玄関を一歩入れば意外なほど活発に過ごすのを見ました。お友だちと歌ったり、楽しく活動するのに、なぜ朝は玄関で泣くの?と不思議でした。でも「愛着理論」を見直し、第三段階と第四段階を考えると、園児が“朝は泣いても日中元気”の説明のひとつになるのかな、と思います。

ご存知の方も多いでしょう。小児科医だったボウルビィは「人が生まれて数カ月の間に特定の人とのあいだに結ぶ情愛的な絆」を“愛着”と呼びました。その愛着にも発達段階があり、少しずつ変化をしていきます。

第一段階は、生まれてから三カ月ごろまで。人の顔ににっこり微笑みかける時期です。赤ちゃんはみんなのアイドルですよね。

第二段階は、生後六ケ月ごろの“人見知り”をする時期。大好きな人を区別できるようになってくるということです。

第三段階は、特定の人と常に一緒に居たくて、姿が見えなくなると泣きだし、戻ると笑顔に戻る2、3歳頃までの時期です。

そして最後の第四段階は、大好きな人と離れていても、心の中で確かな絆を結べるようになるのですが、これがおおよそ3歳頃からと言います。この愛着関係が大人になったあと、家族以外の人と絆を結ぶときに重要なのだそうです。(※発達は個人差がありますので年齢はあくまで目安です。)

ですから園の玄関でいま涙を流すお子さんですが、少し時間がたてばきっと「いつも心にママがいる」と、心の中に大切な人を思うことができるようになるのです。私は2~3歳の子どもが玄関で泣くのは、愛着の発達がまさにいま進行中なのだと尊重し、泣いているお子さまを大切に見守りたいと思うようになりました。