物を考えるヒントになる教具
モンテッソーリの教具の、「赤い棒」と言う教具です。小さな子どもが、長さの違いをはっきり意識するために作られました。
10本の角柱を長さの順に並べる活動なのですが、3歳が10本をパッと見て順番に並べるのはとても難しいのです。だからはじめは先生が使い方を示します。
①「どれが長いかな?」10本のうちから長そうな2本を選んで、近くに持ってきて比較します。ポイントは端をそろえること。すると長さの違いがはっきり分かります。
②短い方を戻し、他に長いものがあるか子どもと一緒に探します。こうしてよく見て比較を繰りかえすことで、一番長い棒を見つけます。
③見つけた一番長い棒をじゅうたんの上端によけ、またたくさんの棒から2本ずつの比較を繰り返します。
④するとじゅうたんの上に10本の棒が長さの順に並んでいるのです。
これが赤い棒の使い方です。あっという間に順番にそろって子どもは喜びます。楽器のパイプオルガンが教具を考え付いたヒントになったそうです。
モンテッソーリ教具の扱い方には、物を考えるヒントになる方法がたくさん含まれています。「赤い棒」では見つけたものをよけて、それ以外でじっと比較を続ける、という部分が大好きです。何か大切なことを考えるときに、今すべきことと、すでに終わったこと。赤い棒をイメージしてすっきり整理して、段取り良くきれいに整列するととても気持ち良いのです。