1歳~6歳まで夢中になる“じてん”
とだこうしろうさんの「ことばじてん絵本」です。50音順に600の言葉とそれに対応するイラストが描かれた、美しいデザインの絵本です。絵本ですが、“じてん”なので、文字がたくさん書かれています。
教室では3歳~6歳のお子さんとしりとり”をするために用意しました。3歳~6歳のお子さまは、文字を読み、それに対応する絵を楽しんでいます。「かぜ」が吹いたらこうなるね。「かなしい」時はこうだよねと。
しかし、この本がなぜか1歳半~3歳のお子さんにも大人気です。「文字に対する敏感期(4歳)」もずっと先なのに、です。
先日も1歳の男の子が、大きなこの絵本をよっこらしょと開いて指さし、私を見上げて色々教えてくれました。「ママ」や「パパ」、「ブーブ」と言いながら。「ママ(と一緒にいちご食べたよ)」「パパ(がギターを弾くんだよ)」「ブーブ(に乗っておばあちゃんちに行ったよ)」ということでした。こうして、小さなお子さんには、自分の体験を伝えてくれるツールとして持ってきてくれます。
0歳~3歳ごろのお子さんは、環境から受けるイメージを、無意識的に溜めこむ時期だそうです。それは、アルバムに貼られていない写真のように、整理されないで散らばっている状態なのだそうです。(この時期の豊かな体験が、お子さまがお話を理解したり、言葉で自分らしく表現をする時には財産となります。)。そうした3歳未満のイメージの世界がちょうどこの絵本のイラストに似ているのかもしれませんね。
この絵本は、3歳前のお子さんにはコミュニケーションのツールとして、3歳を過ぎればたくさんのイメージをことばに変えるためとして、幼児期を通して長く楽しめる絵本なのだと思います。